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 辺りが暗くなって来たので新宿に行って東口を出る。商店街は多種多様な人がせわしなく動いていた。理来は紺色の暖簾が出た蕎麦屋を見付けた。吸い込まれるように中に入る。 「ウーロン茶と天ぷらそばをください」 「温かいのと冷たいのがありますが」 「ああ、冷たい蕎麦でお願いします」  理来は背もたれに身体を任せてスマホを見た。マリアからメールにメッセージが来てないかチェックした。思っていた通りのメッセージが来ていた。 『理来くん。高円寺どうだった?』  今日物件を見に行くことは言ってあった。 『ちょっと古いけど中々よかったよ。マリアも後で案内する』 『今日、三田島(みたじま)さんから連絡があったの。懐石料理の店を予約したって』  三田島さんとはマリアに店を出してくれると約束した人だ。話がとんとん拍子にいっている。 『りょうかい。水曜日にマリアの家まで迎えに行くよ』  理来はメッセージを送信するとウーロン茶を飲んだ。結構歩いたので喉が渇いていた。  天ぷらそばを店員が持って来た。かぼちゃの天ぷらや大葉の天ぷら、イカ天、えび天が盛り付けられている。大根おろしに七味をつゆに入れる。ずるずるっとそばを啜ってカリッと天ぷらを(かじ)る。素材の甘味が口中に広がる。  そばを綺麗に食べ終わって理来はお会計をした。駅に行って切符を買う。改札を抜けて地元に行く電車が来るホームに行った。スーツ姿の人やバンドマンみたいな恰好の人、若い女の子など色々な人が居た。
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