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火曜日はスーパーとコンビニしか出掛けなかった。仕事がないってことは詰まらない。昼間マリアとメールでメッセージを交換し合った。懐石料理は七時からだというので三時に会ってドライブしようということに決まった。紅葉には早いかもしれないが山にでも行こう。
水曜日は八時に目を覚ます。インスタントコーヒーを飲んでロールパンを食べた。テレビを点けるとニュースをやっていた。今日は秋晴れだという。理来はワクワクした。マリアとのデートを天気が応援してくれている。
お昼にオムライスを作った。ケチャップでハートを書いて可笑しくなった。自分はなにをやっているんだろう。
洗い物をしてからピンクのシャツを着た。下はスラックスだ。ドライブっていう服装じゃないが懐石料理を食べに行くんだからちゃんとした格好の方がいいだろう。
マリアの住むマンションの下に車を停めてマリアが出て来るのを待つ。マリアは三時ピッタリに淡いピンクのワンピースに黒いカーディガンでマンションから出て来た。理来は軽くクラクションを鳴らす。
「理来くん、早かったんだね」
「十分くらい前だよ。車で待ってるのは苦じゃないよ」
「ドライブに行くんだからデニムにしようか迷ったんだけどワンピースにしたの。夜があるでしょう」
「僕もだよ」
理来がそう答えたときに二十代半ばくらいの可愛らしい女の人がマンションから出て来た。マリアが「あっ」と声をあげる
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