36人が本棚に入れています
本棚に追加
理来の運転する車は国道を走って山に向かう。国道はレストランや車の部品屋さんがあったが山に近づくに連れ店も少なくなった。国道から山道に入ると左側に雄大な川が流れている。運転席からは見えないがマリアが「深緑で凄くきれい」と言った。
湖は川沿いの道を右に入ったところにある。コテージが幾つか並んでいて車を停めるスペースがあった。
「降りて散歩しようか」
「うん」
理来とマリアは車を降りる。湖は山の中にあるので木が生い茂っていて肌寒い。湖畔では男の人たちが釣りをしている。長い釣り竿を持って肩を丸めている。
「何が釣れるんだろうね」
「ヘラブナとかじゃないかな」
「へー。鮒が釣れるんだ」
マリアはニッコリ笑って理来を見た、理来も笑顔になる。
木々の間から木漏れ日が射してくる。十月だから優しい陽射しだ。木も少し色づいているように感じる。
最初のコメントを投稿しよう!