迷子のトナカイと雪だるまくん

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 北の国に、冬がやってきました。  雪が、ちらちらと降り始めます。  野原では、トナカイの親子が体を寄せ合っていました。    お父さんトナカイとお母さんトナカイ、そして小さなかわいいぼうや。  そのぼうやの名前は、スノーといいました。 「お父さん、お母さん、寒いよう」 「ぼうや、お父さんとお母さんのあいだにお入り」  お母さんがやさしく言います。  スノーは、お父さんとお母さんのあいだにもぐり込みました。 「わあ、あったかい。お父さんとお母さんって、おひさまみたいだね」  すると、お父さんが言いました。 「ぼうやの小さな体だって、ちゃんとあたたかいんだよ。こうやって、お互いにあたためあうんだよ」  お父さんとお母さんの体はとてもあたたかくて気持ちよかったので、スノーはすぐにすうすうと眠ってしまいました。
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