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「<あの巨人怪人の正体は、ブラックの愛人だった!?>」
「<実は今までの怪人も、人間が改造された姿ではないのか?>」
「<怪人とヒーローの繋がりとは一体なんなのか>」
「<ブラックとホワイトは、本当に人間の味方なのか?それともーーーー>」
「やめろ……もうやめろ」
ブラックは部屋で一人、布団をかぶったまま身体を震わせていた。
家の外には大勢の報道陣。電話はずっと鳴りっぱなしで、ネットやテレビを見てもブラックとホワイトに対する賛否両論が繰り広げられている。
「なんでこんなことに……俺は正義のヒーローなのに」
「ブラック?大丈夫?」
ホワイトは布団に包まるブラックの背中に、ソッと手を当てて優しく声をかけた。
「ホワイト……」
今のブラックにはホワイトの優しさがとても心地よく。一番の心の支えになった。
「ホワイト。俺はどうしたらいいんだ……一体どうしたら」
「……大丈夫だよブラック。心配しないで」
「ホワイト……」
落ち着きを取り戻してきたブラックは、包まっていた布団をゆっくり脱いで、真っ暗だった視界にホワイトの存在だけをその目に映した。
いつもと変わらない微笑みを向けるホワイト。
しかしその手には、優しい笑顔に似つかわしくない一本の注射器が握られていた。
「……え?ホワイト?」
ーー瞬間。
ブラックの首に注射器の針が刺さり、そのまま謎の液体を一気に血管へと流し込まれた。
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