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第4話
5月10日のことであった。
祝彦は2~3日の間入院していたが、精神状態が極力悪化したのであと数日間入院することになった。
宗助はいつも通りに出勤したが、例のラジオの一件で立場が悪くなった。
静江は、温夫夫婦から『なんで結婚しないのか…』とクドクド言われつづけたことが原因で気力がなえてしまった。
そうしたことが原因で、家庭は崩壊の危機にひんした。
時は、朝6時半頃であった。
場所は、今治国際ホテルの1階のレストランにて…
みわこは、ここでチューボーのパートをしていた。
宿泊客に提供する朝食バイキングの準備を終えてひといきついた時であった。
ひどくお腹がすいたみわこは、配ぜんのテーブルに置かれている料理に手を出した。
レストランがひらく朝7時になった時であった。
入り口の前で、宿泊客たちが『開けてくれ~』と口々にさけんでいた。
バイキング料理を全部平らげたみわこは、夢心地に包まれた。
朝食バイキングは、みわこの勝手が原因で中止になった。
またつまみ食いをやらかした…
なんで…
どうして…
今のみわこは、家庭のことで頭がいっぱいなので、善悪の区別が分からない状態であった。
時は、午前11時半頃であった。
ところ変わって、今治新都市にあるイオンモールにて…
みわこは、ここで1日3~4時間のパートで水回り清掃をしていた。
この時、みわこは大きめのカートを押してフードコートへ向かった。
サイコー(さいさいきてや・産直市とカフェレストラン)の前の通りに設置されている音楽プレーヤーから、トランペット演奏の曲でザ・ドリフターズが歌っていた『ドリフのバイのバイのバイ』が流れていた。
ぼんやりとした表情を浮かべているみわこに対して、通りかかった奥さまが声をかけた。
「ちょっとあんたー」
「あら、近所の奥さま。」
「あんたー、またいまこくでアレやらかしたのねぇ~」
近所の奥さまからバイキング料理を勝手に食べたことを言われたみわこは、見苦しいいいわけを言うた。
「ちょっと…朝ごはんを食べる時間がなかったのよ…」
奥さまは、みわこにあつかましい声で言うた。
「いいわけ言われん!!」
このあと、奥さまはへんな目つきでみわこの顔をみながらこう言うた。
「あんたーのその悪いクセ、義弟(おとうと)さんにそっくりやねぇ~」
みわこは、ムッとした表情で奥さまに言うた。
「それ、どう言う意味ですか!?」
奥さまは、ものすごく変な声でみわこに言うた。
「意味なんかないわよ…」
なんなのよ一体もう…
いやたいわね(いやらしいわね)…
みわこは、強い怒りをこめてつぶやいた。
奥さまは、すぐさまに話をすり替えた。
「話変わるけど、先週の金曜日のラジオの一件であんたーに言うとこわい(言っておくわよ)…」
「やめてください!!ラジオの一件のことは言わないで!!」
みわこは、思わず声をあげた。
しかし、奥さまはものすごく変な声でみわこに言うた。
「あんたーの義弟が女性にストーカーしたことが原因で、女性さんは婚約者さんから婚約破棄されたのよ!!」
「(青ざめた表情で)こ、婚約破棄…どうして婚約破棄されたのですか!?」
「あんたーの義弟のストーカーが原因だと言うたでしょ!!」
義弟のストーカーが原因で、女性さんが婚約破棄された…
そんなのウソよ…
みわこは、青ざめた表情でつぶやいた。
奥さまは、変な声でみわこに『宗助に嫁はんはいるのか…』と聞いた。
「あんたーの義弟は、お嫁さんいるの?」
「えっ?」
「だから、あんたーの義弟にお嫁さんはいるの!?いないの!?」
みわこは、つらそうな声で『いません…』と答えた。
すると、奥さまはものすごく変な声でみわこに言うた。
「そう言うと思ったわ…」
言われたみわこは、カチンと来た。
「それはどう言う意味ですか!?」
奥さまは、ものすごく変な声でみわこに言うた。
「だから、意味はないと言うたでしょ…」
みわこは、イラついた声で奥さまに言うた。
「奥さま!!義弟は福祉の助けがないと生きて行けないのです!!なんで義弟をボロクソにヒナンするのですか!?」
「福祉の助けがないと生きて行けないって…あんたーの義弟は、どこが悪いのよ…」
「ですから、人とうまくコミュニケーションをとることができないのです!!」
「(イヤミ声で)ウソ言われん…」
「(イラついた声で)ウソじゃありません!!」
「(イヤミ声で)あんたー、もしかして義弟に変な色目つかいよんでしょ(使ってるのでしょ)…」
みわこは、奥さまに怒鳴り声をあげた。
「これ以上、変なことを言わないでください!!うちの家族に言いがかりをつけるのであれば訴えるわよ!!」
(ドカッ)
奥さまにカートをぶつけたみわこは、背中を向けてその場から立ち去った。
ぶつけられた奥さまは、へんな目つきでみわこの背中を見つめながらつぶやいた。
なにひとりでコーフンしとんかしら…
みわこさんが義弟に変な色目つかいよんがいかんのよ(使っているのがいかんのよ)…
自分が悪いことしておいて逆ギレするなんて、どーかしてるわよ…
時は、昼12時半頃であった。
ところ変わって、北日吉町の印刷工場にて…
休憩室でお弁当を食べている宗助は、11人の従業員さんたちが注文したお弁当をまた勝手に食べていた。
そこへ、社長さんがものすごい血相で休憩室にやって来た。
「コラ!!人が注文したお弁当を勝手に食べるなと言うただろ!!」
(バシッ!!)
社長さんは、宗助の顔を平手打ちで激しくたたいた。
「ワーン、ワーン、ワーン、ワーン、ワーン、ワーン、ワーン…」
平手打ちでたたかれた宗助は、ワーワーワーワー泣き叫んだ。
その間に、社長さんはお弁当箱を全部取り上げた。
お弁当箱を全部取り上げた社長さんは、大急ぎで休憩室を出て事務所へ向かった。
ところ変わって、事務所にて…
社長さんは、事務員さんに怒鳴り声をあげた。
「コラ!!コラといよんのが聞こえんのか!?」
社長さんから『コラ!!』と言われた事務員さんは、思い切りブチ切れた。
「社長!!人を『コラ』で呼ぶなんて非常識きわまりないわよ!!」
「やかましいボケ!!」
「ボケ…よくもアタシに『ボケ』というたわねクソッタレジジイ!!」
「ワシのどこがクソッタレじゃ!!」
「クソッタレをクソッタレと言うたらいかんのか!?くさいわね!!」
「ワシのどこがくさいんじゃ!!」
「くさいをくさいと言うたらいかんのか!?」
社長さんと事務員さんがバリゾーゴンのオウシュウを繰り広げたことが原因で、お弁当工場に電話することができなかった。
その間、休憩室にいる宗助は『お弁当食べたい…』と言うて泣き叫んでいた。
一方、職場放棄した11人のかれらは丸亀競艇場にいた。
職場放棄してギャンブルにのめり込んだかれらは、月末の給料日にジゴクに墜ちることになるであろう…
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