第7話

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第7話

時は、夜8時50分頃であった。 場所は、女性が暮らしていたアパートにて… アパートの前に、愛媛県警のパトカー5台が停まっていた。 現場は、物々しい空気に包まれていた。 その時、宗助がやって来た。 同時に、20人の刑事たちがパトカーから降りた。 宗助は、20人の刑事たちに取り囲まれた。 「築山宗助!!」 「ケーサツからケーコクを受けたにもかかわらず、女性にストーカーをつづけた容疑で逮捕する!!」 逮捕状をみせられた宗助は、ひどくおびえた。 「ぼくはストーカーしていない…ぼくは(女性)さんを守るためにしただけだ…」 宗助は、刑事たちを突き飛ばしたあとその場から走って逃走した。 「コラ!!」 「待たんかいコラ!!」 夜10時55分頃であった。 宗助は、高地町のゆきたか公園まで逃げてきた。 宗助は、レンタルのニッケンの個室トイレの壁にもたれて座った。 その時であった。 (ドカッ!!) 「グワッ!!」 宗助は、背後からやみ討ちを喰らった。 宗助を襲った男は、秀祝であった。 秀祝は、鉄パイプで宗助の背中を殴りつけた。 「オドレ宗助!!」 「た、助けてくれぇ~」 「勉強部屋を返せ!!」 「やめてくれ~死にたくない…」 (ガツーン!!) 「ああああ!!」 宗助は、秀祝からより激しい力で背中を殴られたあと、起き上がれなくなった。 「グワッ!!」 宗助は、秀祝が持っていた刃渡りのするどいサバイバルナイフでズタズタに刺されて殺された。 宗助が着ている制服に、大量の返り血が付着した。 その時であった。 宗助を追いかけていた刑事たち20人がゆきたか公園に到着した。 「コラ!!何やってるんだ!!」 秀祝は、ワーッとさけびながらナイフをふりまわして暴れた。 この時、刑事のひとりが銃を取り出した。 そして、ナイフをふりまわして暴れている秀祝を撃った。 (ズドーン!!ズドーン!!ズドーン!!) 秀祝は、拳銃で撃たれて殺された。 「容疑者の男2名をハイジョした!!」 刑事のひとりがケータイで警察署に報告した。 深夜11時55分頃、愛媛県警による現場検証が始まった。 この時、宗助が血液が付着していたユニクロのエアリズムのビキニショーツを持っていたことが判明した。 ビキニショーツには、女性が着用したあとが残っていた。 この時点で、被害を受けた女性が宗助から性的暴行を受けて殺された可能性が浮上した。 愛媛県警は、宗助と秀祝をハイジョした場所(ゆきたか公園)の周辺と高速道路のガードの先にある山林を中心に捜索を始めた。 愛媛県警は、宗助の家族(温夫夫婦たち)を宗助のストーカーに加担した容疑で逮捕状を発行した。 温夫夫婦の家族たちは、ケーサツに追われる身になった。 さて、その頃であった。 ところ変わって、南堀通り(吹揚さんの南側にある通り)にあるマージャン店にて… 宗助が働いていた印刷工場の11人のかれらは、職場の金品を強奪したあと職場放棄した。 それから12時間以上、かれらはここでかけマージャンをしていた。 ジャン卓のあしもとに、瓶ビールの空ビン50本と脂っこい丼物が盛られていたどんぶり30鉢が置かれていた。 灰皿に、たばこの吸いがらが高く積まれていた。 ユーセンから、Adoの歌で『うっせえわ』が流れていた。 かれらは、よりし烈な怒りをこめて職場に対する不満をボロクソに言いまくった。 「もうガマンならんわ!!」 「ああ、その通りだ!!」 「宗助のクソアホンダラのせいで、オレたちは居場所をなくした!!」 「ああ、もうガマンならん!!」 リーダーの男は『たばこをくれ…』と言うた。 「オイ、たばこ…」 「おっ。」 リーダーの男の左となりに座っている男は、リーダーの男にセブンスターの箱を差し出した。 リーダーの男は、箱の中からたばこ7本を取り出した。 リーダーの男がたばこ7本を口にくわえたあと、右となりに座っていた男がライターでたばこに火をつけた。 リーダーの男がくわえている7本のたばこから噴き出た煙が店内にジュウマンした。 この時、メンバーの下の男がつらそうな声で言うた。 「オレ、ホンマ言うたらイセキ(農機具メーカー)へ就職したかった…オレ、(印刷工場)へ来て損した…」 すると、他のメンバーたちが口々に『オレも損した…』と言いだした。 「…だろうな…オレも損したよ…」 リーダーの男は、7本のたばこを灰皿に押しこめたあとし烈な怒りをこめてこう言うた。 「オレは、インターンで内定をいただいた(大手都市銀行)に就職するのをやめて、(印刷工場)に就職した…オヤジが『心細い心細い心細い心細い心細い心細い心細い…』と言うからやめた…女々しいオヤジのために仕方なく変更した…オヤジが『(印刷工場)は福利厚生が充実しているよ…優しい人たちがたくさんいるよ…』と言うから(印刷工場)に就職した…オレは、女々しいオヤジのいいなりになったことが原因でなにもかもパーになった…」 「オレもパーになった!!」 「オレも!!」 「社長は『通勤手当を出すよ』と言うたけど、手当ては1円も出なかった!!」 「ああ、そうだったなぁ!!」 「社長は、会社のカネを目的外に流用した!!」 「ああ、間違いない!!」 「ゼッタイありうるぞ!!」 その時であった。 社長さんが、ものすごい血相で店内に入った。 「ああ!!お前らなんしよんぞ!!」 社長さんは、かれらが職場放棄してかけマージャンをしていたことをとがめた。 「おまえらは、なにが不満なんじゃ!!うちの会社のどう言うところに不満があるんじゃ!?」 とがめられたかれらは、口々に社長さんを攻撃した。 「ふざけんなよクソジジイ!!」 「そうだそうだ!!」 「コラクソジジイ!!よくもウソついたな!!」 「ジジイは、手当てを出すとオレたちに言うたよな!!」 「それなのに、1円も出なかった!!」 「ふざけとんかコラ!!」 社長さんは、つらそうな声でかれらに言うた。 「だから、その時は政権が変わったので経済が悪化していたのだよ…」 「だまれクソアホンダラ!!」 (ガシャーン!!) この時、リーダーの男が空のビール瓶を床にたたきつけて割った。 その後、一番下のメンバーが社長さんを怒鳴りつけた。 「ふざけんなよクソアホンダラ!!」 「政治経済のせいにするんじゃねえよ!!」 「オドレのドーラクザンマイのせいだ!!」 「オレたちは、被害者だ!!」 「なにを言うているのだ!!ワシは、おまえらの給料を守るために必死になって走り回ったんだぞ!!オドレらにワシの気持ちなど分かってたまるか!?」 「ふざけんなよクソアホンダラジジイ!!」 「やっつけてやる!!」 このあと、社長さんは11人のかれらから集団暴行を受けた。 その最中であった。 たばこの吸いがらが高く積まれていた灰皿で、激しい炎が燃え上がった。 その後、激しい炎が店内を包んだ。 この時、11人のかれらと社長さんは逃げ場を失った。 深夜の今治市中心部に、中央消防署のけたたましいサイレンが鳴り響いた。 マージャン店が入っているテナントビルの付近の交差点に、消防車両8台が停まっていた。 消防車両8台が到着したあと、日吉と美須賀の消防団たちと中央消防署の消防士たちによる消火活動が始まった。 火は2時間後に消し止められたが、11人のかれらと社長さんは焼死した。 翌朝8時過ぎのことであった。 ところ変わって、松山市内のホテルにて… まりえ夫婦と温夫夫婦たちの家族は、愛媛県警から宗助のストーカーの共犯者で逮捕状が出たことを聞いたので、大急ぎでホテルから逃げ出そうとした。 この時、まりえ夫婦と温夫夫婦たち家族がフロントで県警本部の刑事たち40人に取り囲まれた。 「築山宗助のご家族のみなさまですね…築山宗助が犯したストーカー殺人事件の共犯の容疑で逮捕します!!」 「ま、待ってくれ…」 「逮捕しろ!!」 このあと、刑事たち40人は温夫夫婦と祝彦と静江とまりえ夫婦に手錠をかけたあと、県警本部へ強制連行した。 弓華は、保護されたあと児童相談所へ移された。 ところ変わって、今治市大新田町にある市営球場の公園にて… 今治市内を逃げ回りつづけたみわこは、きわめて危険な状態に置かれていた。 帰る場所が分からなくなった… 自分が置かれている状況が分からない… どうすればいいの… フラフラとした足取りで公園内を歩き回っていたみわこは、公園の入口付近の通りに出た。 通りに自転車横断帯と歩道橋があった。 この時、みわこはあやまって自転車横断帯に足を踏み入れた。 その瞬間… (キーッ!!ドスン!!) みわこは、走ってきたトレーラーにはねられて亡くなった。 築山家は、サイアクの形で崩壊した。 その一方で、宗助のストーカーの被害を受けた女性は、今も連絡が取れない状態にあった。 愛媛県警の刑事たちは、必死になって女性の捜索をつづけている。 その一方で、温夫夫婦たち一家に対する厳しい取り調べが行われた。 事件解決のメドは、うんと先になるかもしれない… 【終】
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