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◇◇◇
なんかちょっと、最近窮屈。俺氏に彼女がいる前提の会話になんか入り難い。嘘ついて混ざってるようで違和感山盛り。
「利彦の彼女はどんなのが好きなんだ?」
「え? どんな?」
「ホワイトデー何かプレゼントするんだろ?」
「ええと、ciwt? そこの服が好きっぽい」
「ciwtか。可愛い系シンプル。利彦金ある?」
「ない……」
「うーん、じゃあ合うアクセとか」
「この間、茶色いシュシュ? あげたら喜んだ」
「利彦にしてはやるじゃん。じゃあわりと好みわかりやすいかも。この辺とか、2000円くらいだけどどう」
シンプルなシルバーチェーンのブレスレット。いいような、どうでもいいような。ちょっと投げやり気配。
「イメージ違う?」
「いや、違わないけどなんていうか」
「煮え切らない奴だな」
「俺、里織さんがそんなに好きなわけでも」
「何言ってんだよまだ付き合い始めだろ? 合わなかったら仕方ないけどさ」
えっとイベント的にプレゼントをあげたかっただけで、1日彼女だからなんていうかそんな真剣には考えてなかったからすごく気まずい。でも普通は相手の好みを考えてあげるもんなんだよね?
「えと、ちょっと考える」
「わかった、なんでも相談乗るからな」
「僕はこれにしようと思うんだけどどうかな」
「ハンドクリーム?」
「中根さん奇麗好きだから」
「いいかもな」
坂やんと時康がちょっと遠く感じる。彼女トーク全開で、これまでは俺を気にしてくれて俺の前ではしてなかっただけなのかな。色々疎外感。もう本当は彼女じゃないって言っちゃおうかな。でも坂やん楽しみにしてるし。でもそもそも彼女じゃないのにダブルデートするってなんだか嘘っぽくてで気まずいいや、本当の彼女じゃないわけだからやっぱ嘘?
デート楽しいと思ってたのにおかしいな。
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