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◇◇◇
「こんにちは! 小野垣です」
「中根です。よろしくね」
ダブルデート会場は水族館。女子2人がニコニコ話ながら先を歩くのを男子2人でついていく。なんだろう、時康見てると1人でもラブってて楽しそうなのに何か違うよね、ゲームしたいよね、と思って坂やんを見たらなんか楽しそうだった。なんで?
「坂やん楽しいの?」
「えっ楽しくない? デートだよ」
「デート?」
「好きな子とお出かけ?」
気まずい。凄く気まずいぞ?
里織さんは1日限りで特に好きなわけでは、ないわけで。彼女のフリして楽しそうな坂やんにも嘘ついてるわけだよねこれ。妹にも坂やんのためって言って里織さんにも協力してもらってでもそれもそもそも嘘だし。悪いことをしてる気がしてきた。もやもや。あれ? でもこれ俺が悪いのか。彼女欲しさに坂やん口実に里織さんとデートしたわけで。でも彼女じゃなくて、本末転倒。
ダメダメこれはダメ。どうしよどうしよ困る。めっちゃ居心地悪い。ええと、彼女が1日彼女でずっと彼女じゃないところが嘘だから、里織さんがずっと彼女ならいいのかな。いいんだよね。当初目的に戻って嘘じゃなくて里織さんと本当に付き合えないかな。いい子っぽいし。こないだあげたシュシュ付けてくれてるし。よし、そうしよう!
「坂やん、俺、里織さんと付き合う」
「何いってんの?」
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