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そんでさ、この前こんな話になったの。
「なぁ時康、ホワイトデーにさぁ、めっちゃ豪華なお返しして初デートに誘ってみるってどう?」
「ありかもな。きっかけになるし。でも豪華なお返しって何想定?」
「え? 豪華っていったら豪華なんじゃん? 坂やんはどんなのが豪華?」
「えっ僕!? ううん、豪華、大きなマシュマロ?」
「ビルの間でノシノシ歩きそうなやつ?」
この間ニャトフリ見てた時にたまたま目についてさ。面白そうだったから見たらめっちゃダサくて笑えた。でも時康も坂やんも見てないだろうから、と思って絵を描き始めたんだけど。
「利彦、実現可能なラインでいこう」
せっかく描いてたのに。まだビルしか描いてないのに。
「そもそもだな、マシュマロはどうかと思う」
「ホワイトデーはマシュマロじゃないの?」
「お前らマシュマロもらって嬉しいか?」
「あんま食べたことない」
「僕はちょっと苦手かも。あのふにふにした感じが」
「ふにふに? おっ」
発言する前に時康にスパンと頭をはたかれた。痛い。
「じゃあ何ならいいのさ」
「最近は菓子じゃなくて物を贈ることも多いと思うよ。俺はマカロンにするけどな」
「マカロンって何?」
「軽いビスケットみたいな奴をクリームで挟んだ菓子?」
「僕、聞いたことある。凄く高いんだよね」
時康が彼女に贈る予定のやつのURLを見せてもらった。
ちょっと意味がわからない。4個で2000円? 1個500円? まじで? ガチャ引けるじゃん。
「自分じゃなかなか買えない値段だろ。だからプレゼントにいい」
「僕もそれにしたほうがいい?」
「どうかなぁ。そもそも中根さんはマカロン好きなの? 俺は彼女がこの店好きだからここにするんだけど。西街道のベクセンハウアー」
「あー美味いけどめっちゃ高いって有名な店」
「めっちゃ高いけど美味しい店、だ」
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