1.坂やんと中根さんが付き合ってるかってそんなのわかんないよ。

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 そんでさ、この前こんな話になったの。 「なぁ時康、ホワイトデーにさぁ、めっちゃ豪華なお返しして初デートに誘ってみるってどう?」 「ありかもな。きっかけになるし。でも豪華なお返しって何想定?」 「え? 豪華っていったら豪華なんじゃん? 坂やんはどんなのが豪華?」 「えっ僕!? ううん、豪華、大きなマシュマロ?」 「ビルの間でノシノシ歩きそうなやつ?」  この間ニャトフリ見てた時にたまたま目についてさ。面白そうだったから見たらめっちゃダサくて笑えた。でも時康も坂やんも見てないだろうから、と思って絵を描き始めたんだけど。 「利彦、実現可能なラインでいこう」  せっかく描いてたのに。まだビルしか描いてないのに。 「そもそもだな、マシュマロはどうかと思う」 「ホワイトデーはマシュマロじゃないの?」 「お前らマシュマロもらって嬉しいか?」 「あんま食べたことない」 「僕はちょっと苦手かも。あのふにふにした感じが」 「ふにふに? おっ」  発言する前に時康にスパンと頭をはたかれた。痛い。 「じゃあ何ならいいのさ」 「最近は菓子じゃなくて物を贈ることも多いと思うよ。俺はマカロンにするけどな」 「マカロンって何?」 「軽いビスケットみたいな奴をクリームで挟んだ菓子?」 「僕、聞いたことある。凄く高いんだよね」  時康が彼女に贈る予定のやつのURLを見せてもらった。  ちょっと意味がわからない。4個で2000円? 1個500円? まじで? ガチャ引けるじゃん。 「自分じゃなかなか買えない値段だろ。だからプレゼントにいい」 「僕もそれにしたほうがいい?」 「どうかなぁ。そもそも中根さんはマカロン好きなの? 俺は彼女がこの店好きだからここにするんだけど。西街道のベクセンハウアー」 「あー美味いけどめっちゃ高いって有名な店」 「めっちゃ高いけど美味しい店、だ」
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