1.坂やんと中根さんが付き合ってるかってそんなのわかんないよ。

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 日本語ムツカシ。でもそれで彼女ができるならプライスレス。  なんでホワイトデーってバレンタインでもらえた男子しか参加できないイベントなの? 俺も手当たり次第に菓子配っちゃだめなのかな。彼女欲しい。 「中根さんは甘いものは好きな気がするけど、あんまり高いのは買って食べたりしないタイプだと思う」 「うーん、じゃぁパスだな」 「えっ何で。珍しくていいんじゃないの」 「価値がわからないとこに投資しても意味がないだろ。お前らこれいくらなら買う?」  今やってるゲームのSRキャラ。ガチャチケは1枚500円。でももう持ってる。 「俺は350円なら出してもいい」 「僕は800円くらい?」 「350円と感じるものを贈られてもたいして嬉しくないだろ」 「なる」  中根さんが好きなもの。なんだか記憶がリフレイン。坂やんに任せたんじゃ付き合ってるのかよくわからん状況が継続しそうな気がする。  えーと目的は中根さんをデートに誘うことなんだよね。  「なー、みんなでデートしようぜ」 「みんなでデート?」 「時康と時康の彼女と俺も一緒。そんなら坂やんも中根さん誘いやすいだろ? 俺らがいてもおかしくないし。だいたい屋上から見張って何がわかるんだよ」 「屋上がスパイっぽいって言ったのお前だろ。けどみんなでデートというのは悪くない。だが肝心なところで破綻してる」 「ええと、利彦彼女いないよね?」  ぐうぅ思い出させやがって。なんだよ坂やんまで! 彼女かどうかわかんないくせに! 彼女いないとデートできないとでもいうのかよ!  あれ俺何言ってるんだろ、いないと無理だよな。ぐぬ。 「作るもん、ホワイトデーまでに作るもん」 「本当に? あと2週間くらいしかないよ」  時康がため息をつく。こういう時こいつほんとウザい。 「作る! 俺氏はホワイトデーまでに彼女を作るのだ! 絶対!」 「はぁ、わかったよ。それじゃできたらみんなでデートな。坂やんもそれでいいか」 「僕は中根さんがOKしてくれたらもちろん」
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