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2.俺氏はホワイトデーまでに彼女を作るのだ! そうに違いない。
◇◇◇
「そんで彼女ってどうやって作ったらいいの?」
「やっぱりかよ」
結局の所、彼女がいたことがない俺は時康に頼ることにした。
「利彦はいつも彼女欲しいって言ってるけどさ、どんな子が好みなんだ」
「かわいい子?」
「俺も昔はそう思ってたけどさ、本当に好きな人ってのはさ」
「ちょ、ま、時康。俺氏まだ恋愛経験未なので真実の愛に出会うより前の時康でお願いしゃす」
時康は去年真実の愛に目覚める前もモテまくっていた。なぜだ。顔だ。顔に違いない。えっそれじゃ俺はどうしたらいいのさ。怒り。時康に呆れた顔で見られたけど呆れられるのは彼女がいる奴の特権である。俺氏はどんなんでも彼女が欲しい。どんなんでも? ええと、一応そこは撤回しとく。
「彼女の友達紹介してよ」
「前もしたじゃん」
「俺を好きになってくれそうな子」
「お前ゲームの話しかしないじゃん無理無理。だれかゲーム好きの女子いいないの?」
「オフ会? 企画して変なの来たら困るじゃん」
「うーん、まあ」
でも改めて考えても出会いってなくないか? 時康の今の彼女はカフェのバイトしてたのを一目惚れしたって聞いたような。他の女子とデートしてた時に。ずるい! いやでも時康も俺と同じ帰宅部だろ?
「時康はどこで女子と出会ってるんだよ」
「その辺でコクられる」
ぎぃ! リア充爆発しろ! 何かそもそもベースが違う気がしてきたな。時康は貴族なの?
「あの、時康さま。昔お付き合いされていた女子をご紹介していただけないでしょうか」
「さすがにそれは……」
「だよねー」
はぁ。でもナンパとかはハードル高すぎるしどうやっていいか皆目検討つかないし。俺の周りには女子がいないぞ。女子、女子か。それが問題だ。坂やんの彼女カッコカリの上に接点が全く無い中根さんくらいしか新規女子に繋がる人がない。他に女子……。
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