2.俺氏はホワイトデーまでに彼女を作るのだ! そうに違いない。

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「あの」 「兄貴も何か選んでプレゼントでもしてやんなよ。デートのときに自慢できるよ」 「えっ俺が?」 「何しに来たんだよ」  なんかカモられてる気がする。いやでもガチャで爆死するよりは有意義なような。女子にプレゼントってしてみたい。そうは言っても俺氏金ない。ええと、この辺なら。ヘアゴム。どういうのがいいんだろ。くしゅくしゅしててビーズがついてる。 「兄貴趣味悪くないじゃん」 「そう? あの、じゃあこれ」 「えっもらっていいんですか?」 「まあガチャ1回分くらいだし」  頭をはたく音が響き渡る。お前にデリカシーはないのかと怒鳴られた。ひどい。でもその場で付けてもらうとなんかトキメいた。これが……恋?  よくわからない心境のまま、高いカフェでランチする。お金が飛んでいく。10連ガチャ分くらい。来月はガチャ禁止気配。それで夕方くらいまでぷらぷらして、里織さんと別れて家に帰るバスの中。 「妹氏、デートってつまんない」 「兄ちゃんには恋愛はまだ早いんじゃね?」 「でも彼女できたし」 「1日限定だろ?」  まあ、そうなんだけど、なんだか落ち着かない感じ。これが恋? それとも罪悪感? そわそわ。
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