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「あの」
「兄貴も何か選んでプレゼントでもしてやんなよ。デートのときに自慢できるよ」
「えっ俺が?」
「何しに来たんだよ」
なんかカモられてる気がする。いやでもガチャで爆死するよりは有意義なような。女子にプレゼントってしてみたい。そうは言っても俺氏金ない。ええと、この辺なら。ヘアゴム。どういうのがいいんだろ。くしゅくしゅしててビーズがついてる。
「兄貴趣味悪くないじゃん」
「そう? あの、じゃあこれ」
「えっもらっていいんですか?」
「まあガチャ1回分くらいだし」
頭をはたく音が響き渡る。お前にデリカシーはないのかと怒鳴られた。ひどい。でもその場で付けてもらうとなんかトキメいた。これが……恋?
よくわからない心境のまま、高いカフェでランチする。お金が飛んでいく。10連ガチャ分くらい。来月はガチャ禁止気配。それで夕方くらいまでぷらぷらして、里織さんと別れて家に帰るバスの中。
「妹氏、デートってつまんない」
「兄ちゃんには恋愛はまだ早いんじゃね?」
「でも彼女できたし」
「1日限定だろ?」
まあ、そうなんだけど、なんだか落ち着かない感じ。これが恋? それとも罪悪感? そわそわ。
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