生きたい?

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生きたい?

「遅れてすいません、マスター。」 声がして後ろを向くと血まみれのサーシャが微笑んで立っていた。 「サーシャ、痛くないの?」 私は、いつものように聞いた。 「痛くないですよ。 痛みなんてとっくの昔に感じなくなってますから。」 サーシャはいつものように答えた。 昔……かぁ。 サーシャの昔はいつからの事を表すのかわからない。 ここに来る前か、ここに来てからか。 そんなことは後からでも考えられる。 まずはサーシャの怪我の理由を考えないと。 傷はざっと見て、脇腹の刺し傷だけ。 「本当に大丈夫なの?」 アベルの心配する声が部屋に響いた。 「サーシャ、痛くない?」 アナは安心したように心配しているような声で言った。 「大丈夫?」 レイがなにかを探るように言った。 「本当に大丈夫だから。 とりあえず報告をさせてほしいです。 えーっと、あとはこのエリアだけだと思います。 町の方は行っていないと思いたかったんですけど。」 「町に影響が出てるの?」 「とりあえず私は、町に行って確認したいと思ってます。 少しの影響だったらいいんですけど。」 「そう。」 サーシャの考えならいいと思うけど。 でも、一つだけ聞きたいことがあるんだけど。 「サーシャは生きたい?」
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