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私は、サーシャの暗い顔が嫌いだ。
笑っていて欲しい。
そんな事を心の奥底で思っている。
けど、目の前のサーシャは暗い。
「マスター、どうしたの?」
レイは笑顔で私の顔を覗く。
「苦しくないの?悲しくないの?
サーシャとアベルはマスターを殺したんだよ?
私利私欲でさ。
分からないよ、皆の感情が!
サーシャだってどうして言ってくれなかったの?秘密が偉いと思った?
教えなくてもいいんじゃないかって思った?
それは、おかしいって」
「…秘密が偉いなんて思ってない。
教えなくてもいいなんて思ってない。
これが終わったら言うんだって思ってたよ。」
サーシャの声は抑揚があったけど感情が乗っていなかった。
「マスター、秘密ってダメなことかな。
言葉に蓋をするのはダメなことかな。
どんなにその人が傷つこうとも本音を言わないといけないのかな。」
アベルは静かに言った。
「マスター、落ち着いて。
本音で語り合ってる訳じゃないんだから。」
アナが言った。
「これが四人の幸せだよ。」
レイが笑って言った。
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