元マスター

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元マスター

「離してください。痛いです。」 私は、元マスターの手をどかす。 「ごめん、会いたくてさー。」 会いたいだけで軍を動かすとか今でもネジが吹っ飛んでるのかよ。 「何ですか? 軍を動かしてでも私に会いたかったんですか? あー、わかった。 私が欲しかったんですね?」 「そう!持ち帰ってもいい?」 元マスターは笑いながら、私の首にナイフを当てて言った。 「人質ってやつですか? えー、嫌いなんですよね。.......だから。」 カンッ! 「抗っても?」 「あぁー、とめられちゃった。」 私は、銃で元マスターのナイフをうけとめた。 「まぁ、また会うでしょうけど。 どうします?」 「どうするって?サーシャらしくないねぇ。 僕達は仲間だろう?」 本当に悪い顔で笑うよねー。 私は、銃を投げ捨てて、ナイフを取り出した。 私の行動がトリガーとなり、私と元マスターは走り出す。 本当に数秒で、一瞬。 私のナイフは元マスターの心臓に、元マスターのナイフは私の脇腹に刺さっていた。 後ろで倒れる音がした。 私は、脇腹のナイフを抜いた。 じわりと血が広がった。 「痛っ。」 私は、銃とナイフを回収して、馬にまたがる。 さぁ、いきますか。 悪魔と悪魔の醜い争いの準備をしないといけないし。 「待ってます、マスター。」
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