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「手伝ってくれてありがとな。本当は生徒会の仕事なのに。」
「気にしないで下さいよ。私、掃除嫌いじゃないんで。」
「そうなのか?でも今日は部活もあるだろ?俺は生徒会の仕事で休むって言ってあるけど、お前は適当なところで切り上げてくれていいからな。」
「大丈夫です。私、今日休養日なので。」
「そうだっけ?」
「はい。」
「そっか、ならこの後どこかで何か軽く食べてくか?手伝ってくれたお礼におごるよ。」
「え!?ま、まあ私も暇じゃないんですが?でも、」
「そっか、じゃあまた今度にするか。」
「ちゃんと話聞いてください!先輩がそういうんだったら、あ、おごってくれるって言うんだったら、行ってもいいですよ。って言おうとしてたんです!」
「はは、おごってくれるなら、か。現金な奴だ。」
「・・・ところで、先輩はどうして生徒会に入ったんですか?こうして雑用みたいなことやらされて、その、部活の時間とかも減るのに。」
「有り体に言うと内申のためだよ。行きたい大学にちょっと成績が追い付いてなくてさ。保険と言うか、まあそんな感じ。」
「そこまでしないと行けないようなとこに、なんで行きたいんですか?」
「なんで、か。この学校からで現実的に行けるレベルだと一番上だから、かな。我ながら弱い理由だと思ってるけど。」
「先輩も頑張ってるんですね。」
「まあな。お前も進路に希望があるなら早いうちから考えておいた方がいいぞ。」
「私は大丈夫です。先輩と違って頭いいんで。」
「はは、本当、生意気だな。」
「・・・受かるといいですね。」
「ああ。」
「でも先輩、内申目当てで生徒会とか、ちょっとカッコ悪いですね。そんな不純な動機だとは思いませんでした。私、票を入れなくてよかったです。」
「入れてくれてなかったのかよ。でもまあ、カッコ悪いってのは自覚してるよ。その上部活にも支障でてるしな。」
「それは心配いりません。先輩がいなくても別に困りませんし誰も待ってませんから。もしかしたら嫌われてるのかも知れませんね。」
「それは・・・凹むな。」
「アレ?どうしたんですか?先輩、ガラにもなく落ち込んじゃってます?」
「そりゃあな。ちょっと、・・・いや、かなり凹むよ。嫌われてるかもとか言われりゃさ。生徒会のこととか心当たりもあるしなぁ・・・。」
「え?あ、それは・・・。」
「もしかしてお前も俺の事あんま好きじゃなかったりするのか?」
「そ!・・・、え、っと、嘘です!」
「は?嘘?」
「そう、ジョーダンですよ、へへぇ、まんまと騙されましたね。チョロい先輩です。私の嘘にずっと気づかないなんて。チョロいというより鈍いですよね、色々と。」
「なんだよもう、質悪いぞ。・・・ん?ずっとってことは、どこからが嘘だったんだ?」
「え?へへ、・・・秘密ですよー。先輩が後輩のことをちゃんと見てる先輩だったら気づくはずです。」
「なんだそれ。で?結局この後はどうするんだ?行くっていうのも嘘か?」
「行きますぅ。本当、先輩はわかんない人ですね。私の嘘にも全然気づかないし。ホント鈍いです。そういうの鈍感って言うんですよっ?」
「・・・どっちがだよ。」
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