1日目

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口の中にはメープルシロップのとろけるような甘さと、かすかなほろ苦さが広がっていく。 「俺、はちみつよりメープルシロップの方が好きなんだよね。ただ甘いだけじゃなくて、なんかこう…独特の苦み?的な部分が。恋の味がしねぇ?」 「そ、そんなキザなことを言ってるから王子なんて呼ばれるんだよ!」 そんな私の反応が面白かったのか、裕也は笑いながら私が食べるのを眺めていた。 「裕也は食べないの?」 「んー俺は人形だからね。食べてもいいし、食べなくても平気。片付けはハナが学校に行ってる間にしとくからさ、もう深夜だし歯磨きして寝ようぜ」 遅い夕食後私たちは交互に就寝の準備をし、ひとつのベッドに入った。ベッドの中では私たちは適度に距離をとっており…というより、裕也と距離を作ってしまったまま私は寝入ってしまった。 「裕也…ごめんなさい…」 「…」
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