私はすごい!モンスター

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思い出すだけでも身震いがする。怖かった。 「かさっ」と音がしたので「あ!」と声を上げると5mほど先にごみ袋を持つO子。いつの間にやら片付け途中のシュレッダーのごみ袋がO子に連れ去られていた。まだ入れるものがあるからと取り返したけれど、そのまま持ち去られていたら、「すべて片づけたのは私よ!」そういう満足げな顔をするんだ。 そして何故か、周りにもそう伝わってしまう。 そう、思い出した。なるべくかかわらないようにし始めたのはそれが理由だった。すべて「私はすごい!」「私がしたのよ!」をアピールするためだけに生きているO子。一緒に居ると嫌な気分にしかならない。 しかも、手柄を横取りするのは自分よりおとなしいと感じた人からだけだ。 私は本当はおとなしくなんかない。がアピールのために声を上げる方ではないし、以前仲良くしていたからか、私は、ほかの人に言いつけないと知っているからか。 O子は、少し怖いと感じる人や、媚びを売った方がよさそうな人には常に下手に出る。そして、そのような人のいる前ではすごく仕事をやっているアピールをする。 そして、どこででも自分の立場が良くなるように振る舞う。 Aさんと話すときにはBさんの悪口を。Bさんと話すときにはCさんの噂話を。相槌をうって、自分もそう思ってるってしていながら、「そんなこと自分はしていない、清い心の良い人です。誰のことも悪く言わないわ!あなたの味方よ」みたいにね。
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