スタートオーバー

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まだ少しだけ頭の鈍さを覚えながら、そっと相方を起こさぬようににじり寄って、覗き込む。規則正しく寝息を立てる音に自然と満たされ、思わずいたずらなキスをした。 すると煙たそうな顔をして、手で払いのけようとする。 そんな素振りに肩をすぼめ、クスリと笑う。聞こえるか聞こえないかぐらいの声で投げかけた。 おはよう。 『おはようございます。サチ』 急に天井のスピーカーから予期せぬ声がかけられた。 「わお!びっくりした!アハハハハ!ケビン!おはよう!」 機械的な声の主に向けて応える。 『ジュディはまだ眠たそうですね』 「そうみたい。まったくお寝坊なんだから」 相方は目を擦るとまた、モゾモゾとシーツにくるまってしまう。 『お二人の身体検査の結果は、間もなく終わります。精密スキャンでおそらくジュディも、異常はないと思われます』 「そう。それは良かった」 『サチ。あなたが眠った三時間二十五分後に、ロバートからのメッセージが届いています。再生しますか?』 「え?そうなの?やった!」 サチはモニター前の座席に飛び乗り、前のめりになってケビンを急かす。
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