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地球滅亡のシナリオが確定して、残された時間に何をすべきか問われた人類が、出した答えがジュディだった。
人の遺伝子を持つ新人類を、第二の地球へ送り、そこで『Start Over』計画が発足した。
生まれながら実験体とされ、人権や選択の自由などを持たないジュディ。彼女もまた、人間のエゴに巻き込まれた犠牲者なのだとサチは感じつつ、それでも計画は着実に進められた。
恋人のロバートらと共に、ジュディを我が子のように育てるうちに、強い愛情と罪悪感の狭間で、サチはジレンマを抱え、悩むことが多くなった。
ジュディはIQが高く、思慮深い性質に設計された遺伝子ゆえに、自身の置かれている状況や、苦難の道を強いられるのを、理解していておかしくはない。
そんなジュディが、常に人に従順で、いじらしい態度を見せる。それが余計にサチは心を痛ませる。
サチは、自分の疑問を彼女に訊ねるのが怖かった。
自分たちの行いが、ジュディの目にはどう映っているのだろうかと。
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