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意外にも多い弔問客を見て、父は社交的な人だったけ、と記憶を探るが、よくわからない。
血を分けた娘なのに、わからないんだなぁ、これはもう、他人と言っても差し支えないのではないのかと想いを巡らせていると、焼香の順が回ってきた。
なるべくしめやかな動作を心がけて、列に向かう。
と、前にいた男性の黒い肩から、白い何かが舞った。
ひらりひらりと落ちていくそれが、桜の花びらだと気づいたとき、急に記臆がよみがえった。
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