誤報と陰謀

1/1

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
おめでたいニュースが飛び交う最中 とある報道が世間を騒がせる 「この度の失言をお詫びします」 見知った男が画面の向こうで首を垂れる 調子に乗った有象無象  真相など知りもしない 「おまえは間違っている」 「今の世の中を見ろ」 「昔とは違う」 「監視してやる」 まったく 笑わせてくれる 全てを知った気になってる愚かな存在だと 気づく足掛かりになるとも識らずに とはいえ 人の興味など 瞬間に切り替わる どれだけ正解を叫ぼうが 日毎 それに耳を傾ける 数は減っていく この世が求めているのは  正解でも真実でもない 「誤報」を作り  「陰謀」の果てに虚構された エンターテイメントなのだ ここは 生ける屍が生み出す 夢の国
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加