花火の涙

カーンカーンカーン

大輔くんは泣いていた。

爆竹の音と鐘の音だけが響く。

みんな知ってる。大輔くんが一番先生を困らせていたことを。だってヤンキーだったもんね。大輔くんが一番先生と一緒にいたんじゃない？

カーンカーンカーン

賑やかに楽しく送り出してあげなきゃなのに、涙が出てくる。他の同級生も泣いていた。

バチバチバチバチ！

｢なんやなんや！花火の煙ひどかなぁ！目(め)ん痛か！｣

｢先生が実験に失敗したとやろ！｣

｢あっそっかぁ！あはははは！｣

みんな泣きながら笑ってる。

″大村先生、もうすぐ着きますよ。ここで本当にお別れですが、私たちは先生のことをずっとずっと忘れません。″

《一般社団法人　長崎県観光連盟
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