0人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
「みなさん、よろしくお願いします」
大成は今日この学校に転入してきた。
友だちができるか、うまくやっていけるかどうか不安だった。
それが表情にも出てしまい、小さな声での挨拶となってしまった。
「じゃ、あの空いてる席に……。じゃ授業を」
先生もあっさりしたものだ。でも、そんなに転校生にかまってられないか。
大成も分かってはいるつもりでいるが、教室に流れるおかしな空気を
もう少しくみ取って和ませてくれてもとも思う。
授業が終わると、まず女子たちが大成の机を囲んだ。
どこからやってきたのか?食べ物はなにが好きか?好きなテレビ番組は?
どうでもいい質問が次々飛んでくる。少々困ったことだとも思ったけど、
くすぐったくもうれしい時間。
でも長くは続かない。休み時間は短いものだ。
最初のコメントを投稿しよう!