三つ子のたましい

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「みなさん、よろしくお願いします」 大成は今日この学校に転入してきた。 友だちができるか、うまくやっていけるかどうか不安だった。 それが表情にも出てしまい、小さな声での挨拶となってしまった。 「じゃ、あの空いてる席に……。じゃ授業を」 先生もあっさりしたものだ。でも、そんなに転校生にかまってられないか。 大成も分かってはいるつもりでいるが、教室に流れるおかしな空気を もう少しくみ取って和ませてくれてもとも思う。 授業が終わると、まず女子たちが大成の机を囲んだ。 どこからやってきたのか?食べ物はなにが好きか?好きなテレビ番組は? どうでもいい質問が次々飛んでくる。少々困ったことだとも思ったけど、 くすぐったくもうれしい時間。 でも長くは続かない。休み時間は短いものだ。
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