お弁当

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お昼休みになった。 あたしは、お弁当の包みを、自分の机の上に載せて、うーんと腕を組んで唸った。 これは、捨てよう。 ごめんね、お母さん……。せっかく教えてくれたのに。 ごめんね、ニワトリ。せっかく卵を産んだのに。 ナムナムと手をあわせていると、「何してんの」と声をかけられた。 目を開けると、タチバナがすぐ横に立っている。 「タ、タチバナッ。なんで」 「……なんでって……。僕が二組に来ちゃいけない?」 「いけなくはないけど、えっと」 タチバナの目線が、あたしの机の上に注がれている。 「あ、あのね、こ、これは捨てるお弁当で」 「捨てるお弁当? ……何だい、それは」 ウン。 そうなるよね……。 あたしはがっくりうなだれた。
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