11人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
お昼休みになった。
あたしは、お弁当の包みを、自分の机の上に載せて、うーんと腕を組んで唸った。
これは、捨てよう。
ごめんね、お母さん……。せっかく教えてくれたのに。
ごめんね、ニワトリ。せっかく卵を産んだのに。
ナムナムと手をあわせていると、「何してんの」と声をかけられた。
目を開けると、タチバナがすぐ横に立っている。
「タ、タチバナッ。なんで」
「……なんでって……。僕が二組に来ちゃいけない?」
「いけなくはないけど、えっと」
タチバナの目線が、あたしの机の上に注がれている。
「あ、あのね、こ、これは捨てるお弁当で」
「捨てるお弁当? ……何だい、それは」
ウン。
そうなるよね……。
あたしはがっくりうなだれた。
最初のコメントを投稿しよう!