告白

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同じ制服の高校生でいっぱいのバスに乗り込み、五つ目のバス停で降りて、ホームセンターの中に入る。 「それで、何買うの?」 「水性ペンキ。あと絵具とボンドも」 「何作るわけ?」 「夜景」 「ほー」 「……絵具はどこだ!?」 「あっちじゃない?」 スタスタと広い通路を歩いていくタチバナの背中を、あたしは小走りでおいかける。 こうやって大きなホームセンターの中を、ふたりで野ねずみみたいにウロチョロしてると、なんだかデートみたい、なんて思って、楽しい。 目的のものを買い込むと、レジ袋をカサカサさせながら、またバスに乗った。 帰りのバスは、行きと違ってすいていた。 ふたりがけのシートの窓際に腰かけると、タチバナが並んで座る。バスが揺れると、ひじとひじがぶつかった。 「荷物すごい軽いけど。僕が来る意味あった?」 絵具の入ったレジ袋を、タチバナは、あたしのひざの上にぽんっと(ほう)った。
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