目覚め~夏美サイド~

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梓が大袈裟に息を吐き出し、そして大股に歩きだした。 どうやら昇降口へ向かうらしい。 ここにいてもやることはないし、外はもう真っ暗なようだし、確かに帰るしかない。 納得して歩き出す。 一歩歩くたびに体のどこかに痛みが走った。 他の子たちも梓に続いて歩き出す。 でも……と、胸に違和感が湧きあがってくる。 あたしはいつも通り授業を終えた後、ちゃんと家に帰ったんじゃなかったっけ? ご飯を食べてお風呂に入って、自分の部屋に戻った記憶がある。 それなのに、どうしてこんなところで目覚めたんだろう? 疑問を感じて首をかしげる。 もう1度周囲を確認してみるけれど、やっぱりここは見なれた学校で間違いないみたいだし……。 「ねぇ夏海」 声をかけられて振りむくと優香があたしの腕を掴んできた。 「どうしたの?」 「あたしたち、どうしてこんなところにいるんだろう?」 その質問にあたしは左右に首を振った。 「わからない」 「あたし、家で寝てたんだよ?」 「うん。あたしも同じ」 「俺もだ」
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