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そう言って足を一歩踏み出した、次の瞬間だった。
右方向から飛んできたボウガンの矢が、梓のこめかみに突き刺さっていたのだ。
これもなにかの冗談だと思った。
誰かのイタズラだと。
でも、梓の体大きく左へとかしいだ。
手を伸ばして助ける暇もなく、どっと崩れおちる。
目の前で倒れ込んだ梓にあたしは悲鳴を上げることすらできなかった。
咄嗟に伸ばした手がその場で静止してしまう。
梓のこめかみからはゆっくりゆっくりと血があふれ出している。
「イヤア!」
悲鳴を上げて尻もちをついたのは、あたしの腕を握り締めていた優香だった。
吊られてその場に尻もちをついてしまう。
痛みを感じる余裕もなかった。
目の前で梓が死んでいる。
その事実はまるで夢の中の出来事みたいだった。
そうだ。
あたしはまだ夢を見ているのかもしれない。
だから学校内で目覚めるようなことが起こったんだ。
いわゆる夢の中ので更に夢を見ていた状態だったに違いない。
それなら、もう一度目覚めることができれば現実に戻っているはずだ。
いつもの、ベッドの上にいるはずだ。
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