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この頃から
「ねね、今度のランチどこにしようか?」
いつものようにサクママが言い出した。
サクママは本当にしっかり者でチームの会計担当もすでに3年もひきうけてくれている。
「んー。湘南にある鎌倉野菜のお店とかどう?お洒落なところで少し海でも見ながら。」
提案してきたのはお洒落なお店をよく知っている情報通のなつママだ。なつママはご主人が海外勤務ということもあり、とにかくお洒落さん。真似したくても到底無理な感じ。
「おっ、いいじゃない。湘南なんて久しく行ってないし。学校の五時間目の日なら余裕で行けそうじゃない。」
どこでもOKといつも賛同してくれるのが、いっくんママ。いっくんママは一番の若手。いっくんママの焼くチーズケーキがまた絶品なのだ。
そして私。5年生の男の子のママ。
旦那さんはとても優しくフツーのサラリーマン。贅沢はできないけど月一のランチのために節約をしている。
このママ友は小学校に入学して子供が野球チームに入り仲良くなったママ友4人グループ。
暇な時はほぼ一緒にどこかの家でお喋り。そして月に一回は贅沢ランチを気晴らしに行っていた。
もちろんお互いの家の事情、旦那の愚痴なども話したり。私の中では気兼ねなく付き合える本当に良いママ友だと思っていた。
「げっ。でも高いわ。ここのお店はちょっと」
いっくんママ。携帯でお店の情報を見ながら話してきた。
「えっ。いくらいくら?」
お金の話が大好きな、サクママがすぐに食いついた。
「5000円コースからだって」
唖然とする2人の中に
「えっ、たまにはそのくらいいいじゃん。」
サラッと答える、サクママ。
「いや、ごめん。私そりゃ無理だわ、もう少し安めでお願いします。」
素直に5000円は高い事をわたしは伝えた。いくら贅沢ランチと言えども、その金額は。
他の2人も頷くが
「じゃあ、他にどこにするか
けいくんママ探しといてね!」
サクママがサラリと言う。
わたしは、あっうん。と頷き。その日の話は終わった。
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