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それでも木の国ではいろいろなことを学んだようで、ひと通りの読み書きはできるようになっていた。
そうなると生来の勘の良さや、頭の回転の速さが周囲にも認められるようになってきていた。最初の頃の厄介者のような扱われ方はなくなり、末の王子として認知されつつあった。
ヒルメはいずれ政(まつりごと)にタケハヤが参加出来るようになるだろうと感じていた。フトダマやコヤネが教えてくれれば、砂が水を吸うようにタケハヤは成長していくだろう。そうなれば大人になる頃には、立派に国を治めていけるだけの器量を身につけているに違いなかった。
ヒルメはタケハヤと2人で国を治めていくことを夢見ていた。
若い頃の父母のように慈しみ合い、人々に尊敬される王と王妃となって、支え合って生きていきたい。
今はヒルメが女王であるが、タケハヤが王になって自分が妃になれば、父母と全く同じではないか。道理が通るのではないか、そう考えていた。
あとはどのタイミングで、父に話し、臣下を説得するかだけである。
ヒルメの心は決まっていた。
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