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11章 発覚
(1)
タケハヤが床を払ったころ、今度はヒルメが寝込みがちになっていた。
目立たぬようにタケハヤは夜になってから訪ねて来た。季節は夏の終わりに差し掛かっていて、窓には明るい月明かりが差し込んでいた。
「ヒルメさま、早く元気になってください」
タケハヤが目に涙を溜めながら言う。
「こんなに痩せてしまって。心配です」
ヒルメは精一杯笑顔をつくって、
「何も食べられなくて。無理に食べると気分が悪くなってしまうの」
俯く青白い頬が儚げで、思わず抱き寄せる。懐の中でヒルメはため息を静かについた。
「ねえタケハヤ。私が女王でなくても構わない?」
タケハヤは腕の中にヒルメを収めたまま、首を傾げた。
「どういうことですか?」
ヒルメはタケハヤの若草のような香りを感じて、少し気分が良くなってきていた。
「私はあなたも感じている通り、身体があまり丈夫じゃないの。王はみんなの模範でなくてはならないでしょ。だとしたらタケハヤの方が王に相応しいわ」
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