11章 発覚

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「私お側にいながら、ここ数月、月のもののお世話をした記憶がございません」 「……!」 ヒルメもはたと思い至った。 元々月のものがきっちりとくるほうではない。だとしてもだいぶ間が空いている気がする。 「月が4回満ち欠けしているぐらいは、お世話をしておりません」 「……」 ヒルメは頭の中で数えた。確かにそんな気がする。もしかしたらもう少し長い間、月のものが来ていないかもしれない。 神事を執り行うとき、月経の期間に当たったものは行事に参加できない。血を流すことは死に繋がり、強い穢れだと考えられていた。祭祀を司る女王とはいえ、そういう時はツクヨミを代理に立てて、自分は違う場所から祈りを捧げるのが常であった。 ヒルメは月経の期間が短く、不定期であったので、実際に御祭をツクヨミに行わせたことは2度ほどしかなかった。自分の役目を果たすためには、女性としての機能が弱いことはかえって良いことのように考えていたくらいだった。 「ウズメ…私は、今どのような状態なのだろう…?」 思わず声が震えた。
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