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ヒリトメは考えた。
イザナミの時は臨月だったのでわかったのだ。目の前の少女はほっそりとしていた。お腹は平らで、胸も大きくなっていなかった。
だがヒリトメも子どもを産んだ身である。妊婦特有の一種の諦観というべきものが、高貴な少女には漂っている気がした。
これからはひとりではない。勝手気ままに振る舞うことはできない。自分はもう子どもではなくなった。責任を持って行動しなければならない。
そんな諦めにも似た気持ちが見て取れた。
「ヒルメさま、私には判断する手立てがありません。ですが、夫に相談すれば必ず良い方法を考えてくれるでしょう。ひとまずは宮にお戻りあそばすのがよろしいかと」
フトダマにも知られてしまうのか、と一瞬思ったが、ウズメに相談した段階で仕方ないことだと考え直した。
「明日、お返事を差し上げます」
ヒリトメは平伏しながらそう言った。
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