1章 母恋い

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酩酊状態になり、巫女は神の言葉を口走る。不思議と巫女たちは熱に浮かされたようになり、踊り狂ったり、奇声をあげたりする。彼女らは普段の慎み深さも忘れ、半裸になってクタクタになるまで踊るのだった。 年上の少女にきつく叱られ、少年は半ベソになった。ハッとしてヒルメはどうしていいのか分からず、男の子の手を取った。 「もっと可愛い花がある。案内してやる」 見知らぬ男の子を泣かせてしまった。その悔いと気恥ずかしさに顔も見ず、宮の奥へと引っ張っていく。 「うわあ、きれいだー」 2人の目の前に可憐な黄色い花がたくさん咲いていた。男の子は嬉しそうな声を上げた。 「これは手折ってもいいの?」 「まあ、手折っても良いが、こちらに来ると良い」 ヒルメは背が高くなった一段のところへきて茎を折った。 「これは種だ。吹いてごらん」 男の子が手に取って、花の代わりに付いたふわふわしたものを吹くと、ふわあっとそれが飛び立った。 「わあ、飛んでいく…」 男の子は地面に視線を落とした。 「この綿毛、お母さまのお部屋にも飛んでいくかなあ」 急にしょんぼりした声で言う。
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