17人が本棚に入れています
本棚に追加
「タケハヤ、そなたの父上も母上もそなたを嫌っておるのではないのだ。きっと事情がおありなのだろう。時がくればきっと会える。だから笑って待つのだ」
「は…はい!ありがとうございます」
タケハヤは一瞬顔をクシャクシャにしたが、必死で涙を堪えていた。その様がいじらしく、可愛かった。
一本盛りのたんぽぽを手折り、手渡す。
「そなたの部屋に飾ればいい。母上を思い出すよすがになろう」
そう言って立ち去るヒルメの後ろ姿を、タケハヤはずっと見送っていた。
最初のコメントを投稿しよう!