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「僕が、勇者の責任も、王の責任も捨てて、お姉ちゃんと駆け落ちしたら、どうしますか?」
息子は、僕に真剣な瞳を向ける。
片親でも血の繋がった姉と弟の結婚が許されないのは、学の無い僕でも知っている事だし、忠臣から帝王学を学んだ息子が、禁忌を破って王位に就く事は無いだろう。
「僕には僕の人生が、お前には、お前の人生がある。王族がなんだ、勇者がなんだ。それでも愛に生きるなら、僕は全力で応援しよう。その時は、民への善政が出来るかは不安だが、僕が王となり、お前たちを探させないと約束する」
「父上‥‥ありがとうございます。相談に乗ってもらえますか?」
こんな時にも、礼儀正しく‥‥忠臣の教育の賜物だな。
「役立つ助言ができるかは分からんが、僕なりの答えは出すぞ」
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