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「僕も姉ちゃんと出逢ったのは、あの村だった。その前の船旅で、妻と出逢い、いつか冒険に連れ出すという約束をした事を、婚約してから思い出してしまったんだ」
「父上、それは最低です」
「面目ない話だが、僕は姉ちゃんが初恋だと思い込んでいたし、生き別れた期間も長かった。姉ちゃんと再会した時は、運命だと思った」
「では‥‥こんな事を言うのは不謹慎ですが、母上との約束など忘れた振りをしていれば」
「あの娘、お前にとっての【お姉ちゃん】は、姉ちゃんによく似ている。嘘をつき通せると思うか?」
「あ‥‥無理です。きっと見抜かれます」
「だろ? だから、素直に話した。そして、フラれたんだ。そんな僕でも、妻は喜んで結婚してくれたよ」
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