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私がそう言った時、急に琴音ちゃんが目を大きく見開きました。
そして、いきなり私を強く抱きしめてきたのです。
琴音ちゃんの体が、ゆらゆらと光りました。私の身体中が、しゅわしゅわと泡に包まれる感覚でした。
「……琴音ちゃん、また会える?」
「……うん」
「元気でいてね」
「……うん」
「いなく、ならないで……ね」
「……うん」
琴音ちゃんの何かが、私に流れてきているのが分かりました。
涙が溢れ出ました。琴音ちゃんが何を見たのか、私には分かりません。でも、琴音ちゃんから流れてくるものは、とても大きな力でした。
もう一度、琴音ちゃんのお母さんが琴音ちゃんを呼びました。
私たちはゆっくり離れると、最後にもう一度、手を繋ぎました。
「絶対、会いに来てね」
「ひかりちゃん、元気でね」
指が離れるギリギリまで、私たちは同じ気持ちでいたと思います。
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