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田中のおじいちゃんの怪我の一件から、琴音ちゃんの家にはたくさんの大人が押しかけ始めました。
琴音ちゃんが学校から帰ると、毎日のように遊んでいたのに、遊びに出してもらえなくなりました。どうやら夜遅くまで誰かが琴音ちゃんの家に来ているようでした。
私は琴音ちゃんと遊びたくて、何度も家に迎えに行きましたが、いつも琴音ちゃんのお母さんに断られてしまいます。
一度、ドアの所に琴音ちゃんが出てきてくれた事がありました。
琴音ちゃんは普段の格好ではなく、真っ白な着物を着ていました。お正月の時に神社にいる女の人みたいでした。
私はしばらく一人で遊んでいましたが、そのうちに別のお友達が団地に来て、一緒に遊ぶようになりました。
琴音ちゃんは“預言する少女”として噂が広まり、それは団地内だけじゃなく遠くの方まで広がっているようでした。
そのうち、琴音ちゃんは、引越しをする事になりました。
お父さんとお母さんの話では、たくさんのシンジャも出来たから、大きなシセツに移る事になったそうです。
私は、遊べなくなっても琴音ちゃんの事が大好きでした。優しい気持ちの琴音ちゃんが、大好きでした。
だから、離れてもずっとお友達だよ、とお手紙を書いて、琴音ちゃんのお家のポストに入れました。
琴音ちゃんのポストは、たくさんのお手紙が詰まっていたから、読まれないかもしれませんが、入れました。
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