ワンダーランド

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 どれほど深い闇に包まれた世界にも必ず朝はやってくる。 そしてどれほど眩しく輝く光に包まれた世界にも必ず夜はやってくる。  私達は影の中に本当の自分を隠しながら生きる。 醜い自分、汚い自分、恥ずかしい自分。 人と違う自分だけのトクベツな一面。  それは決して悪ではない。 光の中で生きていく為に必要なバランスをとってくれる重要な存在だ。 誰もが光に灼かれぬよう影を心の拠り所にしている。  私はそんな人には言えないその人だけのトクベツが知りたい。 「アリスちゃん…会いたかったぁ… もう何も良い事なんて無いんだ…何処にも僕の居場所なんてないんだぁ…。」  年端もいかない少女の股ぐらに顔を埋めるその姿は、許しを乞う罪人の様に浅ましく滑稽だ。 「大丈夫…あなたは何も悪くない。 安心して…今だけはあなたのままでいて…。」 (解るよ…受け入れて欲しいんだね。醜い自分を。)  恍惚の表情を浮かべながら私は、哀れな男を優しく包み込み優越感に浸った。
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