「ないものねだり」

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わたしは、かつて目が見えなかった。 だけれど、兄がわたしの自分の目で見たい願いを叶えてくれた。 それは手を繋ぎながら強く願って寝ると叶うと、夢の中の兄が教えてくれたから。 夢の中にまで出るだなんて、本当に優しい兄。 だから、自分の目をあげてくれた兄のために、今度はわたしが兄に"見せて"あげる。 兄は見てきたから新鮮味がないかもしれないけどね。
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