脱出

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脱出

ある日、美月の父親が稽古を始めると言い出しました。稽古というのは、「光の国」を照らす魔法の使い方を美月が父親から教わるということです。 美月は、そう聞いて、居た堪れない気持ちになりました。ずっと自分を苦しめて来た魔法の使い方を学ぶことにも、その力を司る役目に就くことにも、興味が全くありませんでした。 美月は、しばらくどうしようか考えましたが、稽古を始めてしまう忙しくなり逃げ出せなくなるから、稽古が始まる前に、「光の国」を出ようと決めました。目的地は、もちろん、「暗闇の国」です。
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