あなたへ

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 おや。 ところであなたの後ろの窓から見えるものはなんですか? そう振り返ってみてください。 天高く飛んでいく翼。 どこまでも、どこまでも飛んでいく鳥の翼。 あー、あれが私にあれば、落ちなくてすんでいたのかもしれませんね。 あの日の晩、私は自分の体がフワリと地面に舞い落ちていることに気付きました。 下に下にと。 落ちている瞬間、思っていました。 なんで? なんで、私は今落ちているの? なんで、私は今落とされたの? なんで、私をパパとママは…… でも、きっと大丈夫。 きっと、きっと、最後には温かい腕が。 また、再び最後には温かいパパとママの腕が待っていると___。 でも、私を最期に待っていたものは 温かい、パパとママの腕ではなく 冷たいコンクリートの地面でした。 そう、あの寒い寒い冬の夜。 布団の中で眠っていた私は、外の地上へと投げ落とされました。 植え込みに落ちた私は、グシャリと全身を強打し、骨は砕け、内臓は破裂。 血だらけで、かろうじて息をしているような状態だったようです。 そこに雪。 白い粉雪。 私の体に静かに静かに舞い落ちてきて、 溶けるどころが 降り積もり、私の体をかくすように……。 そうですね、神様が最後に配慮してくださったのでしょうか。 そこからの記憶はありません_____。
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