習慣

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習慣

 私は御年七十六なる。  朝は卵料理を食べ、昼と夜は鶏肉を使ったものを食べて生きてきた。  最初は好きだから食べていたが、徐々に食べないと落ち着かなく習慣となっていた。 「おじいちゃん、卵とか鶏肉ばっかで飽きないの?」 孫にそう言われたことがある。  正直飽きてはいた。  だがそれでも食べ続けたのは自分でも不思議に思う。 「習慣だからね」とだけ返答した。  人にはそれぞれ色んな習慣があるだろう。  毎日仏に拝む人、走る人、朝のコーヒー……、人によってそれは違う。  八十をこえて私は天国へと旅立った。  朝日が目に入り、私は鳴いた。 「コケコッコー!!」  毎日のように序列の確認と雌へのアピールをかかさない。  小屋には私一人しかいないが、これは私の習慣だ。
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