かかった!

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かかった!

 夜明け前の森はまさに「真の闇」って感じだった。  真っ暗な森のなかを懐中電灯の明かり1つで罠の場所まで移動する。 「いいか? カブトムシは夜行性だからな。この時間がポイントなんだ」  意識して声をおとしていたパパの声が、突然熱を帯びる。 「ほら見てごらん! なにか動いてるぞ!」  獲物の気配を感じたパパは、興奮ぎみに罠を仕掛けた木の枝を懐中電灯で照らした。 「……えっ!?」
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