悪辣純愛プロトコル【短編】

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「達央の腰の動きって、やばいよね。(くわ)え込んだまますごい(なめ)らかに動くんだもん。まさに絞り取られるって感じ」  達央がカエルのような声をあげて力尽きた。すると瑛人がのし掛かり、寝バックのまま達央のナカを突き上げる。  互いに一歩も譲らぬ攻防となった。 「あ、俺その体位が一番好き」  今度は瑛人が力尽きた。このままでは(らち)が明かない。 「はぁ・・・あ、おい、悪徳弁護士」 「ん、悪徳じゃねえ・・・く、あ」 「ふ、ぁ・・・これじゃ、互いに、消耗(しょうもう)、するだけだ」 「じゃ、どうし・・・ってんだ」 「次・・・最後にするぞ」 「次?」  達央はコクリと頷いた。 「そうだ。次、正常位で抱き合って、先にイった方が負け」 「も、それしか無さそうだな・・・途中で手、緩めんのなしな」  お互い頷きあうと、一度全てを引き抜き、そして向かい合った。  ・・・これで、最後。  緊張の一瞬。再び、類が声をあげた。 「あ、ねえどうせなら、ちゃんと好きって言い合いながら抱き合ってよ。ちなみに言うときは目を見るんだよ」 「「んなっ・・・・?!」」  二人はピタリと固まった。  待て待て待て。正常位で、見つめ合いながら好きって言って、抱き合うだと・・・?そんなんただの恋人じゃねえか。なのに相手がコイツ?どんな悪夢だよ・・・?! 「達央」  瑛人がゆらりと体を揺らす。覚悟を決めたような目をして、自身の竿を太一の尻にあてがった。  ・・・まさか、やる気か?  思わず(つば)を飲み込む。瑛人は無言で頷いた。仕方ない、こちらも腹をくくろう。  ズプ、と瑛人の熱がゆっくり這入(はい)り込んでくる。達央はコアラのように瑛人にしがみついた。  真正面から見つめ合い、 「達央、好きだ」「瑛人、俺も瑛人が好き」  柔らかくなった内側が卑猥(ひわい)な水音を立てる。 「ん、瑛人・・・あ、すき」 「俺も、好きだよ。すげえ、好きだ」  そのまま達央の弱い部分を何度も突き上げた。互いの息遣いを近くで感じて、達央は急に気恥ずかしくなる。瑛人の言葉に反応してナカがきゅんきゅんと締まった。  好きだと言われながら突かれると、たまらなくくすぐったくて頭がぼうっとしてくる。勝負のことなんて忘れそうになり、達央も夢中で愛の言葉を(ささや)いた。  瑛人は身を震わすと、達央の口を封じるようにキスをする。 「んあっ・・・」 「これ以上、聞いてるとなんかまずい気がする」 「なんだそれ・・・ん」  唇を重ねたまま、瑛人は達央のナカを激しく犯していった。達央の硬くなった先端からは絶えず透明の液体が流れ出ていて、抱き合った二人の腹をトロトロに()らしていく。  肌が(すべ)り、(こす)れ合い、汗と混じって全身で熱を放出させていた。  下から突き上げる圧迫感。(のど)の奥で悲鳴をあげながら、この激しく押し寄せる熱を受け入れ続ける。  ・・・もうだめだ。  達する瞬間、溶け合うように繋がったその部分が大きくうねる。びくびくと体を震わせ、瑛人の腹に、溜まっていた熱を放った。同時に、達央の中で瑛人の熱が脈を打ちながら奥に向かって欲を吐き出す。  出した後も瑛人の熱は何度も痙攣(けいれん)を繰り返し、ようやく昂りは治まった。  瑛人はぐったりとベッドに崩れ落ちる。二人とも肩で息をしていた。 「すごい、激しかったね二人とも!」  類だけがやたらと元気に声を上げた。 「同時かよ・・・」「最悪だ」    
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