「手」

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前にも立ち読みだけする高校生に嫌がらせで、漫画雑誌の中にゴキブリを忍ばせて 驚かせたり。 悪質な酔っ払いが何度か店で騒いでた時には、何週間も賞味期限が過ぎた廃棄弁当などをプレゼントしてたり。 綺麗な女性が来店すると、何度も事務所に連れ込もうとしたり。 ちなみに僕も何度か来るなと怒鳴られた事もあったり・・・。 苦情が来ても何されるかわからないオーナーだから 近所の住人達はこのコンビニには絶対に行かない決まりがあったりと。 よく潰れないな・・・。と感心する程 まぁ無茶苦茶なオーナーだから、どんな発想されても驚きやしない。 きっと今回もオーナーの趣味だろう。 ただあの女性がどんな人か気になって仕方なかった。 次の日もまたコンビニに立ち寄り適当に、朝ごはんのパンを手に取り レジへ向かう。 すると今度は、また別の女性の手がカーテン越しから商品を受け取り 昨日とは少し高い声で「1点で〇〇円です。」と言われた後に またカーテン越しからトレーが出てきて 丁度の金額を置くとトレーは引き上げられ 商品が出てきて棒読みの高い女性の声で「ありがとうございました。またのご来店をおまちしております。」 益々僕は、オーナーの策略にハマりそれから毎日来る日も来る日も このコンビニに通った。 時には、男性の手が出てきては、何故か落ち込んで。 時には、綺麗な女性の手が出てきて心の中でガッツポーズをして。
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