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翌日の昼休み、わたしは悶々とスマホをいじっていた。 何をしていても「夏っぽいスカート」を考えてしまう。 動きやすいパンツスタイルが多いわたしは、そんなの持っていない。 クローゼットの奥にしまっているスカートは黒やベージュ色で、夏色とは程遠い。土曜日までにどこかで買わなきゃ――。先生に見つからないよう、バッグの中でこそこそとブランドのセール情報を検索していた。 「ね、石坂さんってわかってないよね」 ふいに聞こえてきた、背後の声。 ぞくりと心臓が震えた。これは、真実さんの声だ。わたしはとっさに聞こえないふりをした。 「(イケメン)と付き合ってるからって、周りが見えてないよ。うちの部員に近付かないでほしい」 「しかも石田くんって好きな人いるんでしょ? 絡まれて絶対迷惑だよね」 会話の相手も同調している。心臓が重くなって苦しくなる。わたしは震える足で教室を飛び出した。 廊下で石田くんとすれ違ったけれど、無視して空き教室に駆け込んだ。 いい子ぶってる? 迷惑? 石田くんに、好きな人がいる? 涙なんか出ない。 あんな言葉のために、めそめそ泣いてやるものか。 だって、わたしには誠くんがいるんだから。 石田くんが誰を想おうと関係ない。 だけど、午後は授業の内容が全然頭に入らなかった。
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