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プロローグ
それは、一通の投稿から始まった。
きっかけはわからない。けれど、いつの間にか僕らは、それに釘付けになる。
昔から決められていたことのように。ロマンティックなプロポーズなら、きっと運命と言うのだろうか。漫画なら、この言葉に【さだめ】とでもルビを振るだろう。
けれど、あの出来事は、きっと僕の人生の中で一番輝いていた時代になるだろう。
世界中を巻き込む激動は過ぎ、すでに過去のものと片付けられ、歴史の一端になるのかもしれないが、この広大なネットワークの海の中では、名前を変えて語り継がれることになる。
『人生における大きな喜びは、「君にはできない」と世間が言うことをやってのけることである』
これは、何も成し遂げたことのない、特別なことなんてなにもない人たちが、けれど、たまたまこの時代に生きていたからこそ知ることのできた物語である。
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